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故・井上信生氏業績一覧の公開に寄せて

 ここに、当研究室OBで2021年8月に逝去された井上信生さんの業績一覧と、公刊済みの論文等を公開します。2021年11月2日に、インド思想史学会MLにて阪本純子先生から井上さんの訃報が報じられ、関係者皆信じられない思いで一杯でした。その際、阪本先生には井上さんの業績一覧の添付とともに、業績の公表も計画中である旨お知らせいただきました。その後、後藤敏文・阪本純子両先生、河﨑豊氏(当研究室OB)によって業績公開のための準備がなされました。2022年7月には、両先生により業績公開文と詳細な業績一覧とが作成されましたが、公開の時期と機会を探っておりました。検討の結果、井上さんの出身研究室である大阪大学インド哲学研究室のホームページにて公開させていただくのが最善であろうとの結論にいたりました。以下に両先生の作られた業績公開文と業績一覧を掲載し、また論文等を一つにまとめたファイル(河﨑豊氏作成)および個々の論文に誰でもアクセスできるように、これらを以下のGoogle Driveに収納しました。リンクをクリックいただければ、全て閲覧およびダウンロード可能になっております。
 また、『マハーバーラタ』の訳注など、公刊には至らなかった井上さんの手書き原稿やメモ等については、大阪大学の堂山研究室にて保管しております。Web上での公開は控えますが、内容の詳細な一覧はGoogle Driveに入れてあります。この一覧にある資料をご覧になりたい方がいらっしゃいましたら、大阪大学人文学研究科インド哲学研究室までご連絡ください。基本的には、大学で閲覧していただく形になります。
 以上、井上さんが生涯かけて取り組まれたご研究の遺産を、皆さまの研究に役立てていただければと願っておりますので、どうぞ遠慮なくご相談ください。
 最後に、ここに至るまで業績公開に向けてご尽力くださった後藤敏文・阪本純子両先生には改めて御礼申し上げます。特に阪本純子先生は、井上さんのご業績の中核となった『世界神話伝説大辞典』のお仕事と、井上さんの病気の発見・治療において大きな役割を果たされ、またご逝去後には、井上さんの業績をインド学の遺産として記憶に残すことを真っ先に考えてくださいました。インド学研究者としても、井上さん出身の研究室の代表者としても、ここに深く感謝申し上げる次第です。

令和5年3月7日
大阪大学インド哲学研究室を代表して

堂山英次郎
 

井上信生業績公開文

井上信生さんが去ってしまってから,一年近くが経ちました。彼が発表した仕事を同僚の皆様と共有すべく,ここに公開します。第I部は彼が発表した論文の写し,第II部は,発病に伴い,口頭発表のみに終わった日本佛教学会学術大会のハンドアウト,第III部は『世界神話伝説大辞典』(篠田知和基・丸山顯德編,勉誠出版2016年8月)に寄稿した原稿から成ります。最後の原稿は,編集者の篠田知和基先生,勉誠出版の吉田祐輔さんの厚意ある許可に基づいて公開します。吉田さんは業績表に目を通して,井上さんの研究生活の中核部分に当たるものだからと言ってくれました。この仕事を利用する際は,出版されたものに基づき,出典を明記して下さい。公開に当たっては堂山英次郎さん,河﨑豊さんが尽力してくれました。なお,井上信生さんはマハーバーラタを中心に訳や注記を収録したノート,ファイルを遺しました。それらの資料は,妹の関まり子様のご厚意により,大阪大学研究室の堂山英次郎さんのもとに収めました。井上信生研究業績一覧の後に,彼が訳した文献の箇所を挙げておきます。
 

2022年7月 後藤敏文,阪本純子

井上信生 (いのうえ のぶお)
1966年1月28日−†2021年8月19日(享年55歳)。1988年 大阪大学哲学科卒業,1991年 大阪大学文学修士,1997年8月−2001年7月 大阪大学助手

業績一覧(本リンク先のGoogle Driveより,pdfをダウンロード頂けます

{以下公刊済みの業績のみ(上記第I部、第III部に相当)。第II部は上記リンク先のpdfを、またノート・ファイル等の資料についてはGoogle Driveの文書を参照ください。}


1992    Mahābhārata 12.224-225の創造説と終末論
   印度學佛教學研究 41-1, pp.(35)−(37)

1993    叙事詩プラーナの創造説に於る宇宙卵
   日本佛教學會年報 58, pp.97−108

1993    Cosmology in Bhāgavatapurāṇa 2.1−2
   待兼山論叢(哲学篇)27 pp.37−49

1996    世界の終末と最高神 −−Mahābhārata III 186−187 とBhagavadgītā−−
 印度學佛教學研究 45-1, pp.(37)−(41)

1997    仏典,叙事詩,プラーナにおける世界の終末
   日本佛教學會年報 62, pp.1−12

1997    Mahābhārata VI.5−13の世界観
   待兼山論叢(哲学篇)31 pp.43−53 (+ summary)

1998    Carā-cara or Cara-acara
   インド思想史研究 10 pp.53−58

2003    バラモンと狩人の対話
   インド思想史研究 15 pp.71−78

2009    ājagaraparvan における反宿命論
 印度學佛教學研究 48-1, pp.(259)−(262) (+ summary)

2010    パーンダヴァ出離のエピソードに見る火と水
   『水と火の神話: 水中の火』(楽瑯書院)pp.117−124

2012    「天使経」覚え書き −− 初期仏典における地獄のヤマ(閻魔) −−
 『罪と贖罪の神話学』シンポジウム論文集 2011年9月~2012年1月 GRMC篠田知和基編集,楽瑯書院 pp.129−141

2016    『世界神話伝説大辞典』(篠田知和基・丸山顯德編,勉誠出版2016年8月):
 第1部「地域別概説編」,pp.156−176「[アジア]インド神話」中,「2. 叙事詩の神話・伝説」(pp.159−162),「5. ヒンドゥー聖典プラーナ(pp.167−169)」,「6. 創造神話と終末神話中」の〈叙事詩以後〉(pp.169−170),「7. 宇宙論と時間論」の〈叙事詩以後〉(pp.171−173);  第2部「神名等固有名詞編」(pp.415−951)に,ヴェーダより後の事項を中心に55項目を担当。

 

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