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—卒業までの大まかな流れ—

 1~2年次で、インド思想史の入門的な講義や、サンスクリット語の初級文法を履修します。同時に、ドイツ語をはじめとした外国語をも習得しておくことが望ましいです。こうして基礎的な知識や学力を充実させ、3 年次からは、大学院生との学問的な相互交流の中で原典を用いた研究資料の読解を開始し、4 年次において、原典資料の的確な把握と正しい論理展開に基づいた 卒業論文を作成することを目指します。

卒業までの大まかな流れ

​学部1~2年次

​共通教育や文学部の基礎的な講義・演習を履修する​

学部3年次

文学部の専門的な演習を履修

学部4年次

文学部の専門的な演習を履修し、卒業論文を作成

​大学院

文学研究科の専門的な演習を履修、修士論文・博士論文を作成

学部1~2年生(および初学者)向けの基礎的な授業

☆ インド哲学史講義

—学部1~2年生(および初学者)向けの基礎的な授業—

​① インド学の基礎

・共通教育科目、春夏学期開講、堂山教授によるインド学の入門的な講義。

・ヴェーダを担ったインド・アーリヤ人の言語的・文化的背景の説明から始め、彼らがインド(南アジア)進出に伴い形成していったサンスクリット語文献文化とその思想の流れとを、時代を追って解説します。

② インド仏教史概説

・共通教育科目、名和講師によるインド思想史の入門的な講義。

・上記のインド学基礎で扱われるヴェーダ期の一部とそれに続く時代の思想(仏教、ジャイナ教等)を扱います。

・インド最古の文献であるヴェーダからウパニシャッドを踏まえてジャイナ教や仏教が成立することから始めて、インド思想の展開を追って概説します。

③ サンスクリット語(サンスクリット語初級)

・文学部開講科目で、毎年異なる教員が担当する、サンスクリット語の初級文法の授業。

・前期(春・夏学期)週に2回、ゴンダ『サンスクリット語初等文法』を教科書として文法を学びます。
・サンスクリット語の原典テキストを読解するために必要となる、基礎的な力を身につけ、後の専門的な演習に備えます。

・授業の終盤では、教科書の練習題を自力で予習し、文法の知識をフル活用して和訳をすることが求められます。

・サンスクリット語未習得で、専門的な演習に出たい人には、必修の科目です。

④ インド文化学演習(サンスクリット語初級講読)

・文学部開講科目で、毎年異なる教員が担当する、サンスクリット語初級講読の授業。

・後期(秋・夏学期)週に1回、初級サンスクリット語読本(Lanman, A Sanskrit Reader)を用いて,叙事詩『マハーバーラタ』の中の「ナラ王物語」(全16ページ)を輪読します。

・上記の初級文法を終えた人向けの演習ですが、サンスクリット語既修得であれば参加可能です。

・出席者全員が順次テキストを音読・翻訳し、必要に応じて言語的・内容的な解説を受けます。

・2020年より開講されている科目。

・文学部開講科目、秋冬学期、堂山教授(前半:ヴェーダ)と名和講師(後半:仏教)による、やや専門的な講義。

・ヴェーダ期から(初期)仏教の時代にかけて,古代インドの思想の要となるいくつかのトピックを取り上げ,それぞれについて,翻訳等の資料を使いながら詳細な解説を行うとともに,それらをより普遍的な立場から,またそれらの現代的な意味について,参加者全員で議論することを目的とします。

学部3~4年生(および大学院生)が受ける専門的な授業

—学部3~4年生(および大学院生)が受ける専門的な授業—

⑤ インド哲学演習および仏教学演習(論文作成指導)

・正式にはインド学演習と仏教学演習で別々の授業ですが、2コマ連続(3時間)、休憩を挟んで行います。

・教員は指導教員全員(現在2名)、学生は学部3年生から大学院生までが参加します。

・各回担当者(主に学生)が卒論・修論・博論に向け、前の週までに事前資料を作成・配布し、当日に質疑応答を行い、指導を受けます。

・担当者以外の出席者は、事前に配布された資料に基づいて予習を行い、当日は各人最低3回の質疑応答と討議を行います。

⑥ インド哲学演習(ヴェーダ文献研究

・文学部開講科目で、インド学分野の専門的な演習。学部3年生から大学院生まで出席。

・インド・アーリヤ語最古の文献である『リグヴェーダ』の中から,言語的にも思想的にも重要と思われる讃歌(一連の詩節の集まり)を講読・議論します。あるいはその後のヴェーダ散文文献(ブラーフマナ,ウパニシャッドなど)をテーマごとに講読・議論します。

・出席者には、順次テキストを読んで翻訳するとともに、テキストの一語一語を、韻律・音韻・語源・語形成・語義・シンタクス等の様々な角度から分析・説明すること、また、適宜必要な参考文献を参照し議論に援用することが求められます。

・また、言葉と内容についての様々な問題点について、出席者全体で議論します。

​・これまで『リグヴェーダ』の諸讃歌(インドラ,一切神,アグニへの讃歌など)のほか,散文では「ソーマを地上へもたらす神話」(『マイトラーヤニー・サンヒター』など),「マヌの洪水神話」(『シャタパタ・ブラーフマナ』など),「十王戦争」(『ジャイミニーヤ・ブラーフマナ』など)等を読みました。

⑦ 仏教学演習(パーリ語文献研究

・文学部開講科目で、仏教学分野の専門的な演習。学部3年生から大学院生まで出席。

・パーリ語で書かれた初期仏教文献を、パーリ語による注釈、仏教サンスクリット語、漢訳の諸平行文献等を参考にしつつ輪読します。

・出席者には、順次テキストを読んで翻訳するとともに、テキストの一語一語を、韻律・音韻・語源・語形成・語義・シンタクス等の様々な角度から分析・説明すること、また、適宜必要な参考文献を参照し議論に援用することが求められます。

・2022年度は『ダンマパダ(法句経)』を読みました。これまではそのほか,『スッタニパータ』や,受講生に合わせて『マッジマニカーヤ』の「アングリマーラ・スッタ」,ナーガールジュナ(龍樹)『中論』の月称註、ブッダゴーサ『ヴィスッディマッガ(清浄道論)』などを読みました。

☆ インド哲学演習(イラン文献研究

・2018年度、2020年度、2022年度と隔年で開講されています。

・文学部開講科目、秋冬学期、堂山教授によるイラン学分野の専門的な演習。学部3年生から大学院生まで出席。

・『アヴェスタ』の中でゾロアスターが語ったとされる古層部分(ガーサー)から1篇を選び,講読・議論します。『アヴェスタ』は,インド・イラン語派を構成する古イラン語の一つアヴェスタ語で伝えられたゾロアスター教聖典です。それはゾロアスター教やイラン文化だけでなく,インド・イラン共通文化やヴェーダ文化を知る上でも重要な位置を占めています。

・出席者には、順次テキストを読んで翻訳するとともに、テキストの一語一語を、韻律・音韻・語源・語形成・語義・シンタクス等の様々な角度から分析・説明すること、また、適宜必要な参考文献を参照し議論に援用することが求められます。

・サンスクリット語初級文法の知識と、夏季休暇中のアヴェスタ語参考文献の事前予習が必要とされます。

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